利他行のイラスト

利他行とは自分の利益よりも他人の利益を優先することで菩薩の修行であると言われています。

菩薩とは困窮の衆生を救い上げることが最大の仕事であり、阿弥陀如来の前身と言われる宝蔵菩薩は48の誓いを立てて、どのようなことがあっても決して諦めることなく救い続け、最後の一人を救い上げるまでは決して如来にならないという誓いは我が国の法然や親鸞に多大なる影響を与え、浄土教の創設、発展につながっているのです。

菩薩が自分の事よりも他の衆生の救済を仕事とするのが利他行の真髄であり、自分の利益は決して言うことなく、只ひたすらに他を利することに専念しているのです。

私達人間は誰しも自分の中から湧き出てくる欲望があり、自分の欲望を満たすために社会活動しているようなもので、自分で働いて稼いだお金だから自分が楽しむために使うのは当たり前のことだと誰しも思うのは当たり前のことで、人の幸せのために自分のお金を使おうなんてお人好しの人は大抵、損をするばかりの人になってしまうのです。

しかし自分だけが満足する自己満足というもので真の意味で幸せになるかと言えばそれは間違いであり、たとえ小さな欲望が一つ満足出来たところでまた次の欲望が湧いてきて、それを満足した所で次々と湧いてくるのですから、何時まで経っても満足出来ないということになってしまうのです。

真の意味での満足とは自分が満足することではなくて、人を喜ばせることであり、人の喜びこそ我が喜びになる、というのが利他行の基本なのです。